社会人のあなたが何らかの職業としての資格取得を考えた場合、検討すべきは資格予備校の利用の可否だと思います。

仕事しながら勉強できるかは大事な要素になってきますが、その点通信講座がベストな選択でしょう。

そこで、社会人でも受講できる通信講座を持つ資格予備校についてまとめてみました。資格と共に紹介していきたいと思います。

資格予備校とは?

資格予備校とは資格試験対策の学校ということになります。

資格とは基本的に職業に直結するものです。資格がないとその職に就けないという職業はゴマンとありますが、資格を要求されるというということは一般人が持ちえない知識や技術が必要ということ。資格試験はその知識や技術を持ち得ているかということを含めた、職業適性を見極める試験です。

その資格試験に合格するための専門の知識取得を目的とした学校、それが資格予備校という訳です。

資格予備校のメリットは合格に近づくこと!

資格予備校のメリット、それは行かない場合と比較してみるとわかりやすいと思います。行く行かないは別としても勉強は必要ですので、資格予備校へ行く場合と行かない、つまり、独学の場合を比較してみましょう。

資格予備校を利用すれば、一定の管理下の元でその分野の高いレベルでの教育を受けることができます。それは以下の理由より。

  • 予備校では教育機関として保有している独自の学習メソッドで学べる
  • その分野の専門家である講師より指導を受けられる
  • 一定の管理の下で学習できる

これは独学では不可能なこと。独学だと自分で市販テキストを買ってきて、手探りで勉強していくということです。どっちが合格に足る実力が身に付くのが早いか、どっちが合格率が高いか。そんなことは言うまでもありません。

資格予備校の費用は資格と予備校によって異なる

予備校利用には費用が付きまといますね。費用は気になるところですが、それは資格試験と予備校によって異なります。大きな傾向としてまずは2点だけ挙げておきます。

難関試験ほど予備校費用は掛かる

難関試験とされる方が対策もそれだけ必要ですから予備校費用も高額になる傾向はあります。

例えば、文系最難関の国家資格と言われている司法試験、予備校費用は高いと150万円ぐらいです。もちろん、合格が長引けばそれだけ費用もかさみます。

大手予備校と通信専門予備校では大手の方が高額

通学コースを持つ予備校の方が通信専門より高額というのもイメージはしやすいと思います。それは経費の問題。教室を持たない通信の方が経費は抑えられ結果、費用に反映できるという。

その差は一概には言えませんが、大雑把に言って、大手は通信の1.5~2倍の費用が必要です。

資格予備校は通信講座を選ぶべき理由とは

具体的にポイントをお話する前に、なぜ資格試験に合格するために予備校の通信講座を選ぶべきなのか、についてお話しましょう。

資格予備校通信講座は通学講座より受講者メリットが大きい

通信講座の他には通学講座、同じ講座でも受講形態はずいぶん違います。最大の違いは、通学=決まった時間に決まった場所、通信=それぞれが好きな時間に好きなだけ、です。

    通学は受講者属性が限定、通信は幅広く万人向け。教室はどこにでもあるわけではなく全国規模でいえばごく一部、大体大都市圏ですよね。それに開講時間はたいてい日中。通信はデバイスさえあればいつでもどこでも好きなだけ。

    通信講座なら選択肢は最大値

    昨今は予備校側も通信講座に特化しているところが殆どであり、人気も受講者数も通信講座が圧倒的です。となれば通学を選ぶとなれば限られた範囲からの選択になりますし、通信講座を開講していない予備校は皆無です。

    もちろん、通学が良いよという方はそれはそれで結構だと思います。どっちがいい?と聞かれれば、私は通信講座だねと答えます。

    通信と通学のメリットデメリットまとめ

    下に通信講座と通学講座の違い&メリットデメリットを表でまとめてみました。

    通学講座 通信講座
    メリット
    • 講義に集中できる
    • 質問がタイムリーにできる
    • 受験仲間ができやすい
    • スマホがあればどこでも勉強ができる
    • すき間時間でも勉強ができる
    • 通信専門の予備校は費用が安い
    デメリット
    • 教室が地方にはない
    • 社会人は時間的に受講できない
    • 費用が掛かる
    • 質問がタイムリーでない
    • 受験仲間ができない
    • 強制力が弱い

    通信講座がある人気の資格予備校はどこ?資格予備校一覧

    数多ある資格予備校の中で、どこが人気なのか、ご紹介していきたいと思います。

    一般的に言って、人気資格予備校というのは資格によって異なります。例えば、税理士資格に関してはA校、司法試験ならB校というように。各校複数の資格予備校を開講している場合が殆どなので、複数の資格でC校が人気だよという場合もありますが、資格によって人気ラインナップは異なると覚えておきましょう。

    各資格毎の予備校ご紹介をする前に、資格予備校一覧として各校の特徴毎にジャンル分けしてご紹介しましょう。

    通信講座専門の予備校

    教室を持たず、通信講座専門で開講している資格予備校です。

    生涯学習のユーキャン

    「通信講座といえば?」と聞かれるとユーキャンと答える人が大半ではないかと思えるほどの知名度のユーキャン。テレビCMも打っていますし、年末恒例の新語・流行語大賞はユーキャンがオフィシャルでスポンサードしており、その知名度は抜群です。

    通信講座は約160種類用意されており、そのジャンルは幅広いです。1955年より通信教育を始めておりその歴史は長く、受講者も合格者も数多く存在します。講座は教材だけ送られてくるというものもありますが、資格講座についてはテキスト教材とサブ的な動画コンテンツも用意されています。

    予備校名/所在地/URL 生涯学習のユーキャン/東京都新宿区高田馬場4-2-38/https://www.u-can.co.jp/
    運営企業 株式会社ユーキャン
    主な開講資格講座 FP、保育士、社労士、行政書士、宅建士

    アガルートアカデミー

    2013年12月、レックの司法試験人気講師であった工藤北斗氏が設立した難関資格試験予備校。通信講座専門であるが一部通学プログラムも存在していました。新参もいいところですが、合格実績と受講者の口コミによって講座によっては業界No.1人気を博すまでに。

    合格実績と受講者サポートは通信講座も随一の評判を得ています。

    予備校名/本社所在地/URL アガルートアカデミー/東京都新宿区新小川町5-5サンケンビル/https://www.agaroot.jp/
    運営企業/本社所在地 株式会社アガルート
    主な開講資格講座 司法試験、公務員試験、行政書士試験、社労士試験、宅建試験

    スタディング

    もともとは「通勤講座」というブランドで2008年から講座運用開始していました。コンセプトはズバリ、通勤時間のようなすき間時間で資格取得しようというもので、忙しい社会人のための通信講座と言えます。

    その後、現在のスタディングとブランド名を変更し、有名タレントを起用したCMも公表受講者数を伸ばしています。

    予備校名/本社所在地/URL スタディング/東京都千代田区永田町2丁目10番1号 永田町山王森ビル4階/https://studying.jp/
    運営企業 KIYOラーニング株式会社
    主な開講資格講座 公務員試験、社労士、宅建、行政書士、中小企業診断士

    資格★合格クレアール

    クレアールは歴史があり長い間で合格者を数多く輩出してきた通信の資格予備校です。1969年に公認会計士や税理士の講座を開講したのが始まりで、以前は通学のみ通信通学併用でしたが、現在は通信講座専門になっています。

    開校時の名残で会計系の資格講座に強く、その分野ではあまたある予備校の中でも名門とされています。

    予備校名/本社所在地/URL 資格★合格クレアール/東京都千代田区神田三崎町1-1-17 ハヤシビル/https://www.crear-ac.co.jp/
    運営企業 株式会社クレアール
    主な開講資格講座 公認会計士、司法書士、行政書士、公務員試験、宅建

    大手の資格予備校

    知名度が高く、かつ昔の予備校の定番スタイルだった通学コースを持っている、いわゆる「大手予備校」と認識されている予備校たちです。

    LEC東京リーガルマインド

    法律系資格予備校の代名詞と言えるレックは、1979年に設立されたこの世界の老舗大手予備校です。老舗の大手らしく、日本各地に教室を持ち、通学講座の規模はトップクラス。

    通信に押されている情勢であまり目立たない昨今ですが、中身はさすがというべきしっかり確実です。数少ない通信のDVDコースを保持している予備校でもあります。

    予備校名/本社所在地/URL LEC東京リーガルマインド/東京都中野区中野4-11-10 アーバンネット中野ビル/https://www.lec.co.jp/
    運営企業 株式会社東京リーガルマインド
    主な開講資格講座 司法試験。司法書士、公務員試験、弁理士

    資格の大原

    全国各地に48校の洋室を持ち、教育について幅広く経営。資格予備校部門は「社会人講座」と呼ばれる部門で関連会社の大原出版が運営。

    幅広く資格講座を開講しているが、強いのは公認会計士や税理士資格等の会計系や簿記。

    予備校名/本社所在地/URL 資格の大原/東京都千代田区西神田1-2-1/https://www.o-hara.jp/
    運営企業 学校法人大原学園
    主な開講資格講座 公認会計士、税理士、簿記、公務員試験

    伊藤塾

    伊藤塾は、1995年にレックの司法試験専任講師だった伊藤真氏が独立して開校した法律資格予備校になります。当初は司法試験予備校の見でしたが徐々に資格を広げ現在に至ります。

    伊藤塾は大手と呼ぶには規模は小さめですが司法試験受験会では最大手とされています。それは抜群の合格実績と他を圧倒する講師陣の豪華さ。革命児伊藤塾長を筆頭にカリスマ講師ぞろい。私管理人も元伊藤塾受講生

    予備校名/本社所在地/URL 伊藤塾/東京都渋谷区桜丘町17-6/https://www.itojuku.co.jp/
    運営企業 株式会社法学館
    主な開講資格講座 司法試験、公務員試験、司法書士、行政書士

    資格の学校TAC

    TACは1980年に設立された大手資格予備校です。法律系から公務員・医療・会計・ビジネスなど、幅広い資格講座を開講していますが、Wセミナーを取り込んで法律系でも難関講座部門として開講しています。

    司法書士講座にはカリスマ講師を抱え根強い人気を博しています。

    予備校名/本社所在地/URL 資格の学校TAC/東京都千代田区神田三崎町三丁目2番18号/https://www.tac-school.co.jp/
    運営企業 TAC株式会社
    主な開講資格講座 司法書士、公務員試験、弁理士

    社会人におすすめの資格予備校

    現代の予備校最先端である、「社会人におすすめ」できる資格予備校を管理人がピックアップしてみました。

    スタディング

    スタディングはもともと「忙しい社会人の学習」のための通信講座として開講したという社是みたいなものがありますので、社会人学習に最適化された予備校講座になっています。

    テキストも含めたスマホで完結する学習スタイル、すき間時間学習に適したセンテンス割、学習アプリの採用等、今では採用している予備校は他にもありますが、走りはスタディングだと思います。

    アガルートアカデミー

    アガルートは特別社会人におすすめという訳でもありませんが、機能は十分シャイ人におすすめできるものを実装していますので、ここに挙げてみました。

    オンライン講義には倍速機能実装していますし、オフライン再生可能である音声ファイルも使えます。デジタルテキストも使えますし、講義時間もコンパクトにまとめられています。

    フォーサイト

    企業の不動産研修事業からスタートしたフォーサイトは2004年より通信講座を開講しました。以来、累計受講者15万人をゆうに超える、通信専門予備校では大手に含まれるものです。

    通信にもかかわらず教育訓練給付指定講座をいくつも所有しており、リーズナブルかつきめ細かい講座内容が好評です。

    予備校名/本社所在地/URL フォーサイト/東京都文京区本郷6-17-9本郷綱ビル1階/https://www.foresight.jp/
    運営企業 株式会社フォーサイト
    主な開講資格講座 宅建、社労士、行政書士、簿記

    資格スクエア

    弁護士であり実業家である鬼頭政人氏が立ち上げたのが2015年以来、IT技術や脳科学などを全面的に取り入れたカリキュラムを採用した資格スクエア。経営権を英会話大手のレアジョブに譲渡され現在に至っています。

    予備試験講座がもっとも成果を上げていますが、AIを真っ先に取り入れた先見性や社会人学習を意識した高効率主義が人気の講座です。

    予備校名/本社所在地/URL 資格スクエア/東京都渋谷区神宮前6-27-8 京セラ原宿ビル2階/https://www.shikaku-square.com/
    運営企業 株式会社レアジョブ
    主な開講資格講座 予備試験、宅建。行政書士、弁理士

    法律・労務系国家資格の取り方

    法律や労務関係の国家資格はどんなものがあるのでしょうか。その職業を紹介するとともに、どうやって合格していくのかをまとめてみました。

    司法試験

    司法試験とは、法曹三者登用試験になります。文系国家資格の中では最難関と言われています。司法試験は誰もが受験できる試験ではありません、受験資格を得るだけでも非常に困難な道をたどる必要があります。

    ひとつは法科大学院課程修了。いわゆるロースクールです。2年~3年のプログラムを修了した者がしフお試験受験資格を得ます。

    もう一つが予備試験合格。予備試験という、法科大学院課程修了と同等の能力を持つものを選抜する試験です。合格率3%台(令和5年度実績)、約半年の3つの試験をすべて突破した者だけが合格。です。

    非常に難易度が高い試験なので、殆どの受験生が予備校を利用して勉強します。

    司法試験合格で慣れる職業が下の3つです。

    弁護士

    弁護士とは、法律の専門家として法的サービス全般を提供する職業で、主な職務は法廷での訴訟代理人、裁判手続き代理、法的アドバイス等です。

    職業として非常に高いステータスを誇っていますが、その理由の一つが弁護士になるまでの難易度の高さ。国家資格最難関と言われている司法試験合格が必須条件になります。

    裁判官

    裁判官とは、司法権を行使して裁判事務を行う国家公務員です。弁護士同様司法試験合格が必須の法曹三者のひとつですが、司法試験合格後に入所する司法研修所でも成績上位者にしかなれないという、法律誌カウでも最もなりにくい職業かもしれません。

    裁判官は憲法で非常に厚く身分保障されており、そのステータスも極めて高いものがあります。

    検察官

    検察官とは、刑事事件において、警察と連携して捜査し、起訴・不起訴を決める国家公務員です。

    法務省の特別機関である検察庁所属。弁護士・裁判官と法曹三者を構成し、原則として司法試験合格が必要な職業です。3つの中では最も人気がないかもしれませんが、大きな権限を持つ非常に重要な職業です。

    司法書士

    司法書士とは不動産や会社登記業務が本業である法律家です。特別な資格をもって一部訴訟手続きにもかかわりを持つことができます。

    司法試験ほどではないが、その難易度はAクラスと言え、合格率は毎年4~5%とかなりのもの。もっとも、その合格者属性は社会人が大半で合格者平均年齢は40歳ほど。やり様によっては社会人も出合格できる試験と言えます。

    司法書士に合格するには予備校を利用してできるだけ勉強を効率的に短期間にまとめるのがポイント。

    社会保険労務士

    社会保険労務士(社労士)とは労務関係の国家資格で、労働関係の問題解決や指導を行っていくのが仕事です。独立して仕事をするものも多いですが、企業に入りそこで仕事をするものも多いのが特徴。

    社労士は難関試験の部類に入り、その合格率は5~7%。中には独学で合格していく人もいるそうですが、それは司法書士などの難関国家試験合格経験がある者であり、通常は予備校で勉強しないと合格は難しいと言われています。

    行政書士

    行政書士とは「街の法律家」と言われるもっとも身近な法律家であり、公的書類や申請が本業になります。

    行政書士は法律系資格の中では簡単は部類に入りますが、一般論で言えば十分難関試験。合格者は毎年10~12%程度で推移しています。悪い言い方すれば難易度が中途半端なので予備校を利用せずとも合格でいる人もいるかもしれません。

    ただ、予備校を利用すれば十分一発合格を狙えますし、職業として目指すのであれば予備校利用するべきでしょう。

    宅地建物取引士

    通称「宅建」と言われる宅地建物取引士を法律資格に組み込むかは議論あると思いますが、法律を駆使する職業には変わりがないので良しとします。

    宅建は不動産取引業務のスペシャリストで、宅建士がいないと不動産取引がままならないという重要な職業です。昨今は不動産取引業界にとどまらず、銀行業界や建設業界でも人気資格で、ある意味今後最も将来性の高い職業の一つと言えるかもしれません。

    まとめ

    以上、資格予備校とその通信講座についてまとめてみました。

    すべての資格が予備校利用が必要というのではなく、資格によって配備校なしでも合格は可能と考えます。その上で予備クオリ用の意義は何なのか、それが合格までの時間を買うという考え方と思います。独学で3年かかる資格試験、予備校利用すれば1年半で合格できたなんてことは普通にあります。

    この場合は1年半の時間を買ったと考えればいいでしょう。こう考えると、あなたにとって予備校は必要か必要でないかがわかり易くなるのではないでしょうか。