行政書士試験の配点-科目別出題形式別得点配分と合格のための得点計画

行政書士試験は6科目で全60問、合計で300点となっています。6科目だからと言って1科目10問づつ出題されるわけではなく、科目毎に差がありますし、当然配点も異なります。

真剣に合格を目指している方にとって、どの科目でどのくらい取れるかという「票読み」は必須ですし、それができるからこそ効率的な勉強に取り組めるという面もあります。

このページでは、行政書士試験で出題される全科目の配点とすべての出題形式、合格のために必要な科目別正解目標を立ててみたいと思います。表がたくさん出てきますので、そのつもりで先に進めてみてください。

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行政書士試験科目別配点

まずは基本中の基本、科目別の配点から見てみましょう。先ほど申しました通り、行政書士試験は6科目で展開されます(憲法/民法/行政法/商法会社法/基礎法学/一般知識)。

6科目は「法令等」と「一般知識」に分けることができ、それぞれの内訳は以下の表の通り。科目毎の問題数と配点を記していますが、民法と行政法、一般知識が問題数・配点共に占有率が高いのがお分かりになると思います。 全部で60問、満点で300点になります。

カテゴリー 科目 問題数 配点(点)
法令等 憲法 6問 28
民法 11問 76
行政法 22問 112
商法会社法 5問 20
基礎法学 2問 8
法令等トータル 46問 244
一般知識 政治・経済・社会 7問 28
情報通信・個人情報保護 4問 16
文章理解 3問 12
一般知識トータル 14問 56
総計 60問 300

行政書士試験出題形式別の得点配分

次に出題形式別の得点配分を確認してみましょう。 行政書士試験は、3つの出題形式があります。「5肢択一式」「多肢選択式」「記述式」となりますが。それぞれ表にしてみました。

5肢選択式別の配点

5肢択一式問題は全60問中54問出題されます。配点は1問4点ですので、300点中216点ということになります。

択一は全科目で出題されます。表をご覧ください。 全科目で出題されますので、科目別配点と傾向は同じようですね。民法、行政法、一般知識で占有率が高いですね。

カテゴリー 科目 問題数 点数(点)
法令等 憲法 5問 20
民法 9問 36
行政法 19問 76
商法会社法 5問 20
基礎法学 2問 8
法令等トータル 40問 160
一般知識 政治・経済・社会 7問 28
情報通信・個人情報保護 4問 16
文章理解 3問 12
一般知識トータル 14問 56
5肢選択式総計 60問 216

多肢選択式別の配点

多肢選択式問題です。 1問につき4穴で1穴2点ですから、1問8点になります。1穴づつの配点ですので、4箇所すべて正解でなければダメということはありません。

4箇所個別に配点されますので、1問で3か所正解なら6点、4か所正解で8点ということです。3問出題されます。 多肢選択式は憲法、行政法でのみ出題されます。

カテゴリー 科目 問題数 配点(点)
法令等 憲法 1問 8
民法
行政法 2問 16
商法会社法
基礎法学
法令等トータル 3問 24
一般知識 政治・経済・社会
情報通信・個人情報保護
文章理解
一般知識トータル
多肢選択式総計 3問 24

記述式別の配点

記述式問題は配点は1問満点で20点、3問出題されますので、この記述式だけで60点の配点になります。 採点は0点か20点ではなく、減点方式になります。

1問につき記述していなければならない論点が3つほどあり、その論点を落としていないか、正しく記述されているかで減点されていきます。 1文字も書いていないのなら0点でしょうが、ちゃんと解答を導き出そうという姿勢が出ていれば0点はないと思います。

食らいついていけば、配点はされる可能性があります。 この記述式は民法と行政法のみ出題されます。

カテゴリー 科目 問題数 配点(点)
法令等 憲法 -</td
民法 2問 40
行政法 1問 20
商法会社法
基礎法学
法令等トータル 3問 60
一般知識 政治・経済・社会
情報通信・個人情報保護
文章理解
一般知識トータル
記述式総計 3問 60

行政書士試験の配点-総合

上で説明した3つの出題形式を踏まえ、行政書士試験の各科目の出題数と配点をご覧ください。表にしてみました。 最初の科目別配点を発展させたような表になりますね。

カテゴリー 科目 出題数 配点
法令等 憲法 5肢択一式:5問 20点
多肢選択式:1問 8点
小計 6問 28点
民法 5肢択一式:9問 36点
記述式:2問 40点
小計 11問 76点
行政法 5肢択一式:19問 76点
多肢選択式:2問 16点
記述式:1問 20点
小計 22問 112点
商法・会社法 5肢択一式:5問 20点
基礎法学 5肢択一式:2問 8点
法令等合計 5肢択一式:40問 多肢選択式:3問 記述式:3問 244点
一般知識 政治・経済・社会 5肢択一式:7問 28点
情報通信・個人情報保護 5肢択一式:4問 16点
文章理解 5肢択一式:3問 12点
一般知識合計 5肢択一式:14問 56点
総合計 5肢択一式:54問 多肢選択式:3問 記述式:3問 トータル:60問 300点

科目別得点配分と占有率

ベースとなるデータを出したところに、次は科目別の配点比率を一覧表にしてみました。点数ベースで算出しましたのでご覧ください。 先ほど、民法、行政法、一般知識が重要科目だと言いましたが、占有率を見れば如実にわかります。 ※小数点2位四捨五入

カテゴリー 科目(配点数) 比率(点数ベース)
法令等 憲法(28点) 9.3%
民法(76点) 25.3%
行政法(112点) 37.3%
商法会社法(20点) 6.7%
基礎法学(8点) 3%
法令等トータル(244点) 81.3%
一般知識 政治・経済・社会(28点) 9.3%
情報通信・個人情報保護(16点) 5.3%
文章理解(12点) 4%
一般知識トータル(56点) 18.7%

ご覧のように、民法と行政法が配点比率二けたを超えています。2つで62.6%とかなりのウエイトを占めていることがわかります。

合格を目指すにあたって、この2科目はどうしても外せませんし厚く対策を立てる必要がありそうです。占有率81.3%です。この3科目は決して疎かにできないし、十分な対策が必要になりますね。

効率よく合格するための得点目標

行政書士試験の合格には、何も全問正解しなければけないということはありません。合格に必要な点数というものが予め決まっているのです。

試験前にはっきり決まっている試験というのも珍しいのですが。 だから合格のためには満点を狙うのではなく合格点超えることを狙うべきなのです。

そこで、科目別に獲得目標得点をいうものを算出してみましたのでよろしければご覧ください。

行政書士試験は何点で合格?

まずは合格に必要な得点数を知らなければなりません。行政書士試験合格には3つの要件があります。以下3点(詳細は「行政書士試験の足切りを解説-一般知識・法令の足切り回避策とは」)。

  1. 300点中180点以上
  2. 法令等の50%以上
  3. 一般知識の40%以上

得点すること。ルール上ではこの3点を満たす必要があります。もっとも、合理的に考えれば、

  • 全体の60%以上得点し、
  • 一般知識で40%以上得点すること

事実上、この2点をクリアすれば行政書士試験には合格できます。全体での目標数値はわかったので科目別に見ていきましょう。

憲法の得点目標

憲法の配点は28点です。内訳は以下の通り。

  • 5肢択一式:5問(20点)
  • 多肢選択式:1問(8点)

憲法は比較的点数の取りやすい科目だと思います。とにかく判例と条文。ここをしっかり押さえておけば一定の得点か十分可能。というわけで目標は

  • 5肢択一式:4問(16点)
  • 多肢選択式:3穴正解(6点)

の22点を目標にしましょう。

行政書士の憲法は難しい?学習ポイントや効果的な勉強方法は?

民法の得点目標

行政書士試験でも最も難易度が高くかつ最も重要な科目である民法。内訳は下記。

  • 5肢択一式:9問(36点)
  • 記述式:2問(40点)

おそらく、多くの受験生が懸念しているのは記述式問題だと思います。やっぱり難しいですからね、人によっては民法記述式を捨てることを検討している方もいると思います。

理屈上はそれで合格は可能ですが、実際はあまりにもリスキーです。十中八九無理だと思います。ですので、果敢に挑戦して民法でも一定の得点はできるようにするべきです。

端から記述式問題を想定して勉強していけばそうは恐れる必要はないと思います。

  • 5肢択一式:6問(24点)
  • 記述式:2問(25点)

民法記述式は満点狙わずに最低限部分点は取れるようにまとめましょう。それには要件効果という基本をしっかり押さえること。

行政法の得点目標

行政法は民法と並んで行政書士試験の最重要科目です。問題数も最も多く3つの出題形式すべて出題されます。

  • 5肢択一式:19問(76点)
  • 多肢選択式:2問8穴(16点)
  • 記述式:1問(20点)

行政法は民法とは異なりそれほど難儀するような科目ではないと思います。得点源にあるとは言いませんが、一定の得点は見込めるでしょう。

ポイントは知識の網羅性です。暗記によって正解にたどり着けるような問題が多いと思われますので、記述式というよりも択一で多くの正解ができるように目標を掲げましょう。

  • 5肢択一式:15問(60点)
  • 多肢選択式:6穴(12点)
  • 記述式:1問(13点)

商法会社法の得点目標

  • 5肢択一式:5問(20点)

商法会社法は苦手意識を持っている受験生も多いと思います。というより、根入れて取り組んでいる受験生は少数派だと思います。

正直言いま空いて、商法会社法はそこそこでいいと思います。その分民法や行政法に労力を割いた方が効率的かと。例年、5問中1問ぐらいは「捨て問」が出るので、残りの4問の半分を取ることに目標を置くと良いです。

  • 5肢択一式:2問(8点)

基礎法学の得点目標

  • 5肢択一式:2問(8点)

基礎法学もあまりのめり込まない方が良いです。2問しか出ませんので1問取れれば御の字というスタンスで十分だと思います。過去問使った勉強のみで十分でしょう。

  • 5肢択一式:1問(4点)

一般知識の得点目標

一般知識は足切り点が付いて回るため、どこでどれだけ得点するかという目標設定が何よりも大切になってきます。

「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」、それぞれどういった出題傾向があるかを理解してそれぞれ目標を立て足切りが回避できるようにしましょう。

政治・経済・社会

  • 5肢択一式:7問(28点)

行政書士試験の中でもっとも受験勉強がしづらいカテゴリーになります。実際に出題される問題がかなり不透明なので、「やるべきことはやってあとは神のみぞ」というスタンスで臨みましょう。

一定の順をすれば2問3問程度は獲得できると思います。

  • 5肢択一式:2問(8点)

情報通信・個人情報保護

  • 5肢択一式:4問(16点)

一般知識における最大の得点源になり得るカテゴリーです。特に個人情報保護は個人情報保護法からの出題です。例年に多様な問題も結構出題されていますので、過去問中心に勉強すればミスなしで得点できるでしょう。

取れるところからしっかり得点して「政治・経済・社会」の穴を埋めましょう。

  • 5肢択一式:3問(12点)

文章理解

  • 5肢択一式:3問(12点)

文章理解は完全に国語の問題なので、もしかしたらもっとも馴染みやすいカテゴリかもしれません。得手不得手はあると思いますが、誰もが通ったことがある分、得点はしやすいと思います。

いずれにせよ、国語力が真正面から試されますので苦手の方は準備しておきましょう。

  • 5肢択一式:2問(8点)

科目別得点目標一覧

科目別目標得点数を表にまとめて一元化してみました。参考になれば幸いです。 ※小数点2位四捨五入

カテゴリー 科目 目標問題数 目標得点数
法令等 憲法 5肢択一式:4問 多肢選択式:1問3穴 22点
民法 5肢択一式:6問 記述式:2問2論点落とし 49点
行政法 5肢択一式:15問 多肢選択式:2問6穴 記述式:1問1論点落とし 85点
商法会社法 5肢択一式:2問 8点
基礎法学 5肢択一式:1問 4点
法令等トータル 5肢択一式:28問 多肢選択式:3問9穴 記述式:3問4論点落とし 168点
一般知識 政治・経済・社会 5肢択一式:2問 8点
情報通信・個人情報保護 5肢択一式:3問 12点
文章理解 5肢択一式:2問 8点
一般知識トータル 5肢択一式:7問 28点
総計 5肢択一式:35問 多肢選択式:3問9穴 記述式:3問3論点落とし 196点

以上、3つの合格要件はすべて満たした目標です。180点ギリギリを目指すよりも、少し余裕を持った得点計画の方がいいです。あくまで目標ですからミステイクはあるものとして取り組んでいきましょう。

まとめ

以上、行政書士試験における配点を科目別と出題形式別からデータ化してみました。

当然公表されている配点データなのですが、まとめることによって何が重視すべき科目なのかで何がそうでない科目なのか、どの科目がどれだけ得点可能かが見えてくるのです。