予備試験とはどんな試験?最新日程や受験料・属性別合格率推移を紹介!

弁護士をはじめとする法曹三者になるには司法試験に合格する必要があることは多くの方に知られている事実です。その司法試験の受験資格を得るためには法科大学院の課程修了が必要ですが、予備試験合格でも司法試験受験資格を得ることができます。

その予備試験に付いた解説してみたいと思います。予備試験案内から合格発表までの日程・スケジュール、受験者数や合格率などを解説していきます。

司法試験予備試験とは

予備試験とは、法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)登用試験である司法試験の受験資格を得るための試験です。この予備試験に合格すれば、司法試験受験資格が得られます。

先ほど言いました通り、司法試験受験資格を得る方法はこの予備試験合格ルートともうひとつ、法科大学院修了ルートがあります。どちらかをクリアしなければ法曹三者になることができません。それが現在の制度になります。

司法試験と予備試験の違い

司法試験と予備試験、ごっちゃになっている方も少なくないと思いますが、別の試験です。司法試験があくまで本試験であり、予備試験は私法試験の受験資格を得るための試験。試験内容的には大きな違いはなく科目も試験内容も大筋は同じです。が、性格は違います。

法務省HPには「司法試験予備試験」とありますのでこれが正式でしょうが、「予備試験」でも十分通用しますので同じ意味で表現する場合が殆どでしょう。

司法試験制度の変遷について

現行制度の2つ前の制度は、いわゆる「旧司法試験」と言われている司法試験がありました。この試験に合格すれば司法修習所への入所が認められるものでした。そして、その旧司法試験とは別の、法科大学院修了の後に現司法試験(旧司法試験とは別の試験です)受験資格が得られるルートができ、さらに旧司法試験完全廃止に伴い、代わりに現在の予備試験ルートが新設されたという緯があります。

旧司法試験ルートと法科大学院修了ルート併用期は過渡期といいますか、経過措置みたいなものでした。確か、当時は旧司法試験は完全に廃止されて法科大学院修了~現司法試験受験という1本のルートにされる予定だったと記憶していますが、それだと色々な弊害が出るということで、旧司法試験に代わる予備試験ルートが新設されたということです。

参照:旧司法試験と予備試験の違いは? 元受験生が新旧試験を比較してみた

 

司法試験制度の経過措置
予備試験はあくまで司法制度上で追加されたもの、つまり、それまであった法科大学院修了という一つのルートに追加された別のルートです。法科大学院修了と同等の学識等を試されるものでなければなりません。当然、それ相応のハードな試験であることは疑いもありません。

予備試験は3次まである

「予備試験は旧司法試験に代わるもの」といいましたが、それは試験の実施要項にも表れている部分があります。旧司法試験では、1日で試験が終わるのではなく、ノックアウト形式で3次試験までありました。予備試験も同様です。

試験内容については他のページで詳しく述べますが、1次試験から始まり、1次にパスした者だけが2次試験に進み、2次試験にパスした者だけが3次の最終試験に進むという方式が採られています。

しかも、1次試験実施日から最終試験の3次、そして合格発表まで、約半年という長い期間かけて試験は実施されていくのです。

なかなかどうして、これはすごい試験ですね。本番の司法試験よりも長丁場なのですから。もう一つのルート(法科大学院ルートのことです)が残されているとはいえ、これに受からないと司法試験の受験資格すら与えられないのですから、法曹三者になる人も大変ですね(苦笑)。でもそれだけやりがいはあるとも言えるわけです(笑)。

予備試験の科目・配点

予備試験の出題科目やその配点は下記リンク先のページに詳しいのでそちらを参照ください。

予備試験の配点は?択一・論文・口述試験の合格点はどのくらい?

予備試験実施日程

予備試験の実施日程・スケジュールは以下の通りです。毎年1回だけ、以下の時系列予備試験は実査されていきます。

  1. 1.試験公告:前年12月中旬
  2. 2.願書交付・受付:2月中旬~3月下旬
  3. 3.短答式:7月中旬
  4. 4.短答式合格発表:8月初旬
  5. 5.論文式試験:9月中旬2日間
  6. 6.論文式合格発表:12月中旬
  7. 7.口述試験:翌1月中旬
  8. 8.最終合格発表:2月初旬

ご覧のように、1年以上の歳月を費やして予備試験が実施されます。令和5年度より、予備試験は日程が2か月ほど後にずれました

2023年度予備試験日程

令和5年度予備試験日程もすでに発表されています。

  1. 1.試験公告:令和4年12月16日(金)
  2. 2.願書交付・受付:令和5年2月20日(月)~3月17日(金)
  3. 3.短答式試験:7月16日(日)
  4. 4.短答式合格発表:8月3日(木)
  5. 5.論文式試験:9月9日(土)10日(日)
  6. 6.論文式合格発表:12月21日(木)
  7. 7.口述試験:令和6年1月20日(土)21日(日)
  8. 8.最終合格発表:2月1日(木)

いくつか補足しましょう。

願書・出願

まずは出願しなければ受験はできません。願書を入手する必要があります。方法は、受験案内が公告されますので、案内に沿った形で手に入れます。例年、請求して郵送してもらうか法務省に直接出向いて入手します。いずれにせよ一人1部しか交付してもらえませんので注意が必要です。

添付書類として住民票が必要になり、写真も必要になります。受験料は収入印紙にて17,500円

出願は郵送のみで受付ですので注意が必要です。旧司法試験のときは直接出願もできたのですが…最終日の消印まで有効です。

試験地

試験地は全国まんべんなくあるわけでなく主要都市で開催されます。短答・論文・口述とだんだん試験会場が減っていきます。令和5年度は以下の通り。

  • 短答・・・札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡
  • 論文・・・札幌・東京・大阪・福岡
  • 口述・・・東京

会場はすべてではありませんが、大学が多いです。

司法試験予備試験には受験者の制限がないと言いましたが、では、どんな人受験しているのでしょうか?法務省の公表データから引っ張ってきました。最新の令和元年度より5年遡ったデータになります。

受験資格

予備試験は、受験資格制限がありません。性別は当然、国籍・年齢・職業・学歴問われません。誰でも受験料さえ払えば受験できます。

未成年でも受験できますし、リタイヤした方でも受験可。その意味では門戸は広いです。

予備試験の受験者数推移

予備試験の受験者数の推移を出してみました。過去8年間、平成27年から現時点で最新の令和4年ののデータです。上昇傾向で推移していますね。下の表はその受験者の属性別表ですが、「その他」とは、「大学生」と「法科大学院生」以外、すなわち、法科大学院以外の大学院生、無職の専業受験生、公務員や会社員・自営業等とお考え下さい。

その他の受験者数が多いというのはいささか意外な気もしていますが、それだけ社会人が法曹三者を目指そうという方が多いということなのでしょう。

年度 大学生 法科大学院生 その他 総数
平成27年(2015) 2,875 1,710 5,749 10,334
平成28年(2016) 2,881 1,661 5,900 10,442
平成29年(2017) 3,028 1,452 6,263 10,723
平成30年(2018) 3,167 1,298 6,671 11,136
令和元年(2019) 3,340 1,265 7,175 11,780
令和2年(2020) 3,141 1,064 6,403 10,608
令和3年(2021) 3,508 1,058 7,151 11,717
令和4年(2022) 3,786 1,067 8,151 13,004

ち法科大学院受験生が減っているのは、おそらく、予備試験コースに流れている受験生が非常に多いということなのでしょう。最終目的の司法試験の合格率を見ても、予備試験組の方が合格率は高いですから(参照:「予備試験と法科大学院を比較してみた。どっちのルートが良い?」)、事前にデータがわかっている方は予備試験突破をターゲットにしていると思われます。

予備試験の合格者数推移

次は合格者数です。

年度 大学生 法科大学院生 その他 総数
平成27年(2015) 156 137 101 394
平成28年(2016) 178 153 74 405
平成29年(2017) 213 109 122 444
平成30年(2018) 170 148 115 433
令和元年(2019) 250 115 111 476
令和2年(2020) 243 95 104 442
令和3年(2021) 252 99 116 467
令和4年(2022) 196 130 246 472

予備試験の合格率推移

年度 大学生 法科大学院生 その他 総数
平成27年(2015) 5.43 8.01 1.76 3.81
平成28年(2016) 6.18 9.50 1.25 3.88
平成29年(2017) 7.03 7.51 1.95 4.14
平成30年(2018) 5.37 10.14 1.72 3.89
令和元年(2019) 7.49 9.09 1.55 4.04
令和2年(2020) 7.74 8.9 1.62 4.21
令和3年(2021) 7.18 9.36 1.62 3.99
令和4年(2022) 5.18 12.18 3.02 3.63



平成30年度より法科大学院組の合格率がグンと上がったのは、おそらく法科大学院生が予備試験ルートに切り替えたことが理由だと思います。先ほども申しました通り、法科大学院ルートより予備試験ルートの方が司法試験合格率が高いからです。法科行ってからさらに予備試験なんて「お金掛かるなぁ…」なんて余計な心配をしてしまいますが、背に腹は代えられないということなのでしょうね。

それと、「その他」の部分が合格率が低いですが、これは仕方がないでしょう。さらに細かいデータを見てみると、「その他」属性は2次の論文試験の突破率が極端に下がっているようです。それだけ論文の壁が高く厚いということなのでしょうが、ほぼすべての受験生が予備校で」しっかり予備試験予備校で対策を取っていると思われる大学生・法科大学院生は高い突破率を誇っています。

まとめ

以上が予備試験の日程になります。合格発表が終わるとすぐに翌年度の受験案内が公告されますので、スケジュール的には1年中動いているということになりますね。

また、試験自体も5月中頃に始まって最終合格発表まで約半年という、本当に長丁場になります。勉強自体もそうですが体調管理にも気を使ってしっかり乗り切って合格を勝ち取っていただきたいと思います。