予備試験講座はあらゆる講座の中でも高額帯に属します。10万円程度の講座もありますが、主流は70万円~130万円とかなりのもの。
そんな高額講座をお得に受講する方法はご存知ですか?大丈夫です、ヘンな非合法裏技ではなく、国が条件に合った人に金銭的支援を行う制度です。「教育訓練給付制度」と言いますが、予備試験講座にも適用は可能なのですね。
というわけで、このページでは予備試験講座とそれに適した教育訓練給付制度についてお話したいと思います。
教育訓練給金制度とは
教育訓練給金制度とは、厚生労働省が担当している補助金の一種で、「中長期的なキャリア形成を支援するため」に教育訓練の経費を一部負担しましょうというものです。事務手続等はハローワークが担当しています。厚労省HPです。
厚生労働省 教育訓練給付制度
ハローワークの概要ページ
3種類の給付金
給付金は3種類あります。
- 一般教育訓練給付金・・・雇用保険の被保険者が教育訓練を修了したときに受けられる給付金
- 特定一般教育訓練給付金・・・一般教育訓練給付対象者が速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練を修了したときに受けられる給付金
- 専門実践教育訓練給付金・・・専門的、実践的な教育訓練を修了した者が受けられる給付金
司法試験予備試験講座と関係があるのは「一般教育訓練給付金」と「特定一般教育訓練給付金」ですので、この2つについてもっと詳しくお話していくことにします。
教育訓練給付金の支給について
(特定)一般教育訓練給付制度の支給の話にい入っていきましょう。
(特定)一般教育訓練給付制度の支給対象者
当該制度の支給条件についてお話しましょう。まずは支給対象者の話です。支給対象者は
- 雇用保険の被保険者
- 雇用保険の被保険者であった者
です。
1と2はorなのでいずれかひとつでもに該当する者が支給対象者になります。この2つの対象者について解説します。
「雇用保険の被保険者」とは
雇用されている方は基本的に雇用保険被保険者になります。
雇用保険とは、労働者が失業した場合などに必要な給付を行い、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに再就職の援助を行うことなどを目的とした雇用に関する総合的な機能をもった保険です。あなたが事業主から雇われている労働者であれば、事業主はあなたの意思関係なくハローワークに被保険者として届け出が必要になるのです。
会社に勤めている方は雇用保険被保険者、つまり、(特定)一般教育訓練給付制度の支給対象者と言えます。
雇用保険には一般・高年齢・短期雇用特例・日雇労働と4タイプの雇用保険がありますが、どれでも大丈夫、被保険者であれば対象になります。
ということであれば、個人事業主や法人役員は対象外になりますのでご注意を。
「雇用保険の被保険者であった者」とは
「雇用保険の被保険者であった者」とは、以前雇用保険被保険者のであった、勤め人だったということですが、それではいつ勤め人だったら対象になるのか。それは、
- 雇用保険資格喪失日から受講日まで1年以内
- 受給資格期間が3年以上
であれば支給対象者になります。これは両方を満たさなければなりません。離職して1年以内でも1年しか勤めていなければ対象外。
下のようになります。
(特定)一般教育訓練給付金の支給条件
支給の対象者はわかりました。では、その対象がどうすれば支給されるのでしょうか?支給条件についてです。
これはたった一つ、
「厚生労働大臣指定の教育訓練を修了した者」に支給されます。
当該給付の支給を受けるには厚労大臣指定の講座を受講し、かつ、修了しなければなりません。指定されていない講座を受講しても給付は受けられませんし、指定講座を受講しても、修了前に途中で投げ出してもダメです。「指定講座を修了」しなければなりません。
さらに言えば、
修了には期限があり、いつでもいいよというわけにもいきません。
給付額
一般教育訓練給付金は学費の20%が給付されます。ただし、縛りがあります。20%給付でも以下の要件が該当すればこちらが適用されます。
つまり、100万円の学費だったら20万円給付ではなく10万円、4000円の学費では800円の給付ではなく0、ということになります。
特定一般教育訓練給付金は学費の40%が給付されますが、これも以下の特例が該当した場合はこちらが適用になります。
特定一般教育訓練給付指定講座はまだ
ただし、司法試験予備試験における特定一般教育訓練給付指定講座は、記事執筆時点では
存在しません。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06073.html
講座料が高額な予備試験だけに待たれるところですが、追加確認次第更新します。
一般教育訓練給付制度の申請の流れを知ろう
支給は黙ってて受けられるというものでもありません。
自分で申請する必要があります。
申請方法は指定講座があるところのHPに記載されている場合とない場合があるので、事前確認ができない場合があります。
いずれにせよ、各予備校で確認する必要はありますが、基本的に申請方法は共通のはずですので、こちらで解説します。まずは必要書類の確認から。
学費の領収書
領収書ですが、
修了時に予備校側が用意してくれるものと思いますが、一応、保管しておいてください。
念のためですが、
講座申込み時に教育訓練給付制度利用する旨の意思表示が必要になります。指定講座であれば、申込み時にチェックを入れるなど何らかの形で意思表示を示す方法が提示されますので必ず意思表示てください。
その上で、申込後に正式な利用申請が行われると思います。通信講座なら書類が送られてきて記入し返信することになると思います。
修了証明書
修了証明書ですが、講座修了時に通信講座なら、郵送されてくることになろうかと思います。
予備校各自で「ここまでカリキュラムが消化したら修了」という地点があります。それがどの時点かはここではなんとも言えません。
修了期限と共に必ず確認しておいてください。
申請書
申請書も
予備校が用意してくれると思います。その場合は修了証明書と共に領収書・申請書も郵送してくれることになろうかと思います。
ハローワークで申請
用意した3点の必要書類は、
居住所を管轄するハローワークで自分で申請することになります。
受講終了日の翌日から1か月しか申請期間がありませんので、忘れずに、必ず申請してください。
無事に申請が済めば、一定期間の後に口座に振り込まれることになります。
厚生労働大臣指定講座はどこ?
司法試験予備試験における一般教育訓練給付の指定講座はどこが開講しているのでしょうか。高額ですから給付金が出れば実質的にその価格が安くなるわけで、選択肢は広がってきますよね。
かつては大手予備校であればたいてい指定講座を持っていました。が、なぜか徐々に指定講座から外れてきて、つい最近、最後の砦だった伊藤塾も指定講座から外れてしまったようです。
よって、2022年10月1日時点では、
司法試験予備校では厚生労働大臣指定講座は存在しません。
今後はどうなってくるのかは不明ですが、現時点ではそういうことです。
まとめ
補助が受けられる額は、講座料金の20%、ただし、上限は10万円です。また、この20%が4千円以下の場合は適用なりません。詳しくは、上記リンク先や、手続や要件があるので各予備校HPの該当ページでご確認ください。
注意したい点は、
厚労大臣指定講座でなければならないこと。指定講座でなければ、この制度の適要がないことにご注意ください。