
法律資格=国家資格というイメージがあるかもしれません。場合によっては人の人生を左右するようなものですからね。
確かに法律は人の人生を左右し得るものですが、法律は私たちの何気ない生活に密接してますしビジネスシーンにおいても必要不可欠なものです。法律資格は国家資格だけでなく民間資格もあるのですね。
国家資格でない法律資格でもっとも有名かつ最も使えると思われるのがビジネス実務法務検定です。通称「ビジ法」とはどんな資格かメリットはどこか、難易度や合格率はどのくらいなのかを解説していきたいと思います。
ビジネス実務法務検定とは
ビジネス実務法務検定とは、公的資格であらゆるビジネスシーンで通用する法律知識を取得する検定です。公的資格とは、省庁や大臣付けの認定を受けている信用度の高い資格のことで、準国家資格と言われています。
条文を覚えたりするような単なる法律知識でなく、ビジネスシーンで実践的に使える法律知識の取得を目的としたものになります。国家資格ではなく、東京商工会議所が認定する資格になります。
ビジネスシーンでは法律知識が必須
企業がコンプライアンスを重要視する意味はリスク回避になると言いましたが、それは企業の社会的信用に繋がります。
例えば、「セクハラ」「パワハラ」という問題があります。する方の個人的資質という問題もありますが、やttラドンナ法的リスクが発生するかについて無知という面が大きいと思います。つまり完全にコンプライアンスの欠如と言えます。今はSNS等で思わぬ形で拡散されますから、社会的信用の失墜もいいとこです。大きな損害をもたらしかねません。
企業活動関連でも、契約ごとについて、どの時点で契約成立するのか、契約したらどんな債権債務が発生するのか、すべて実務的な法律知識とお言えます。ミスは即企業損失に繋がります。ビジ法の知識が企業を救ってくれる可能性があります。
何をしても良いか何をしてはいけないかという人として初歩的なルール含めて、コンプライアンスを従業員に徹底させることは企業を守ることになりひいては従業員を守ることになります。
ビジネス実務法務検定のメリット
既出の通り、コンプライアンスはビジネスシーン全体に妥当しますし、現代では備わっていなければならない常識になってきています。つまり、ビジネス実務法務検定で学ぶ法律知識はあらゆる職種・業種で通用するものと言えます。
就職や転職の際、取っていないと命取りになることはないと思いますが、採用のPR材料になるとは言えますし、管理職などの職種によっては重視され得る資格と言えます。企業は人材採用においては基本的にリスクは取りませんのでビジ法有資格者は好印象持たれる傾向があります。実際、従業員にビジ法資格取得を推奨する企業は多数あります。
また法務部がある企業においては、配属の際に何らかの資格が重宝される傾向が強いです。国家資格ではないにしても、ビジ法取得している人材は重宝されるでしょう。
法律資格のステップにも
将来的に法律国家資格取得を考えている方にとっては、このビジ法を資格取得の端緒、最初のステップとして活用している方もいるようです。
例えば、ビジ法の2級あたりを取得して行政書士に挑戦というように、目標の法律資格に向けた足掛かりにビジネス実務法務検定を活用。→参照:「法律系資格は順番にステップアップ!初心者の法律資格取得法とは?」
ビジネス実務法務検定資格で得られる称号
ビジ法は1級・2級・3級とあり、級が上がるほど資格としての位は上がります。それぞれ検定試験に合格すると、次のような称号を得ることができます。
- 1級:ビジネス法務エグゼクティブ
- 2級:ビジネス法務エキスパート
- 3級:ビジネス法務リーダー
先ほども言った通り、ビジ法資格取得したところで、具体的な何かを得られるというわけのではありません。それによって企業内での立場は良くなる可能性はありますし、就職・転職が有利に働く可能性もあります。
2級以上の取得を推奨
もっとも、ビジ法有資格が有利に働くのは2級以上というのが現実的だと思います。取得できる放逸知識は旧それぞれ異なるわけですが、正直な話、ちょっと毛が生えた程度というのは言い過ぎでしょうか、とにかく、優位性を持てるほどの内容にはなっていないのが現実です。
ですので、ビジ法取得を検討している方は、2級以上を目標において検討してみてください。
ビジネス実務法務検定試験とは
そんなビジネス実務法務検定ですが、資格取得には検定試験を受験して合格する必要があります。その検定試験についてお話していきたいと思います。ビジネス実務法務検定試験は東京商工会議所が主催し実施しています。
受験者層は、ビジネスパーソン向けですので社会人が多数ですね。ビジネスマンの中でも管理職や管理職候補等、コンプライアンスがマストのビジネスマンが殆どだそうです。試験は2級・3級が同時、1級が別に実施されます。
受験資格
ビジ法試験には受験制限はありません。国籍・性別・年齢・学歴不問です。
受験方法
ビジ法試験は通常イメージする受験方法とは異なります。基本的にはインターネット受験なのですが2(3)通りあります。
IBT方式 | 受験者自身のPCでインターネット受験する方式。タブレットやスマホでは受験不可、ブラウザはchromeのみ、ヘッドセット等音声環境は自分で用意。2級・3級 |
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CBT方式 | 各地の受験センターに備えのPCでインターネット受験する方式。会場は全国各地にある。2級・3級 |
CBT方式(統一試験) | 1級の受験方法。全国統一の決まった時間に実施されるCBT方式。 |
表をご覧いただいた通り、2級・3級の試験はIBT方式とCBT方式の2通りがあります。どちらかを選択できます。また。2級・3級の試験日程は期間内の都合の良い日時を選択できます。
1級はCBT方式一択ですが、日時選択という概念はなく決まった日時に全国統一で実施します。
受験料
受験料は級それぞれ異なります以下の表のとおり。
- 1級:12,100円(税込)
- 2級:7,700円(税込)※CBT方式は使用料として+2,200円(税込)
- 3級:5,500円(税込)※CBT方式は使用料として+2,200円(税込)
試験日程
試験一定は2級・3級は共通、1級は別になります。以下それぞれの日程になります。2級3級は年に2回実施されますが1級は2年に1回ですので注意が必要です。
【2級・3級】
申込期間 | 第53回:5月19日(金)~5月30日(火)
第54回:9月22日(金)~10月3日(火) |
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試験期間 | 第53回:6月23日(金)~7月10日(月)
第54回:10月27日(金)~11月13日(月) |
【1級】
申込期間 | 第54回:11月7日(火)~11月14日(火) |
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試験日 | 第54回:12月10日(日) |
2級・3級の方の試験日はIBT・CBT共通、この期間で希望の試験日時に予約を入れることになります。
ビジネス実務法務検定試験の難易度は
ビジ法の難易度はどうなんでしょうか。難易度は1級が最高、2級3級と続きます。
ビジネス実務法務検定3級の難易度の偏差値
3級合格で得られる称号は「ビジネス法務リーダー」となっていますが、実質的にはあくまで一般常識レベル程度ということなので、試験自体も簡単と言っていいレベルです。偏差値40台中盤程度。
ビジネス実務法務検定2級の難易度の偏差値
2級称号は「ビジネス法務エキスパート」となっており、弁護士と法的問題点を共有できる程度のレベルになっています。一般的に言って企業活動の法的リスクを事前に認識できる程度のレベルと言えますから、偏差値的には50台前半程度と言えます。
ビジネス実務法務検定1級の難易度の偏差値
1級になると2級よりもステージが変わるほど難易度が上がると言えます。試験問題もハイレベルですし、行政書士試験とまではいかないと思いますが、偏差値では50台後半~60ぐらいは数えられるのではないかと思います。
合格率から難易度を計る
合格率から難易度を計ってみましょう。大雑把に言って、合格率が低ければその分難易度が高いと言えますし、その程度もある程度見えます。最新の合格実績(2022年度分)、1級だけ22年分がまだ公表されていないので21年度実績になります。データは実施機関である東京商工会議所からの引用です。
実受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
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1級(2021年度データ) | 458人 | 97人 | 21.2% |
2級 | 9,798人 | 5,053人 | 51.3% |
3級 | 13,568人 | 11,293人 | 83.2% |
本気の受験生は3級飛ばしていきなり2級から受験する傾向があるそうですが、2級1級の合格率は受験者がガチ勢多数と思われ確度の高い数字と見ます。1級はかなり難易度が高い試験であり、2級も半分が落ちる程度の難易度があると言えるでしょう。
まとめ
以上、ビジネス実務法務検定についてまとめてみました。およそ何のための資格化、どのような試験かがお分かりいただけたのではないかと。
ビジ法について興味が持てたら、受験して資格取ってみたいと思う方も出てくるでしょう。それには勉強が必要ですが、その勉強方法について記事書いてますよろしければどうぞ!→「ビジネス実務法務検定の勉強方法は?おすすめ通信講座はある?」