国会議員の特権
選挙により国民から選ばれた国会議員には、「全国民の代表」としてその職責を全うするために、憲法はその国会議員に特権を授けています。
それは、「歳費受領権(49条)」「不逮捕特権(50条)」「発言の免責特権(51条)」です。
それぞれどういった内容なのか、お話を進めていきます。
歳費受領権(49条)
- 第49条【議員の歳費】
両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
この国会議員の歳費授領権は、国民より選任された国権の最高機関たる国会にて自主的な活動が期待されている国会議員の特権のひとつになります。
ちなみに、裁判官は憲法によって報酬が保障され在任中は減額されることはありません(80条2項)が、国会議員の歳費額は法律事項ですので、 減額は憲法上保障されているわけではなく、十分に減額の可能性があります。
- 第80条2項
下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
不逮捕特権(50条)
- 第50条【議員の不逮捕特権】
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
国会議員には、職務執行の自由を保障するために不逮捕特権があります。
その内容とは、
- 国会議員は会期中、逮捕されない。
- 会期前に逮捕されたとしても議院の要求で釈放される。
ということになります。
ただし、例外があります。
- 院外における現行犯の場合は逮捕される(国会法33条)。
- 所属する院の許諾があった場合は逮捕される(国会法33条)。
- 国会法第33条
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。
発言の免責特権(51条)
- 第51条【議員の発言・表決の無責任】
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
国会議員は、職務執行の自由を保障するために、自由な発言・表決が保障されています。
もちろん、どんな発言・行動も許されるというわけではなく、内容や場所での制限はありますが、では、免責の対象になる行為とは何でしょうか。
51条の文言にある議院内での演説、討論または表決に限定させるわけではなく、職務遂行に付随するものを広く認めるべきとされています(判例)。 職務遂行に付随するものとは、例えば、委員会での発言や、地方公聴会などは免責の対象になるとされています。
この免責特権は、国会議員に妥当する特権ですから、地方議員には適用されず、また、国務大臣にも適用されないとされています。
もっとも、国務大臣でも国会議員である場合は、国会議員としての発言等は対象になると考えていきます。
また、国民の名誉やプライバシーを侵害する発言については、選挙における国民の審判に委ねるという面もあるため、完全に免責されるというわけでもないということもあります。
「免れる責任」の意味についてもお話しておきます。
国会議員が51条で免れる責任とは、一般国民なら負うべき法的責任と考えます。つまり、国会議員が免れれる責任とは、決して小さくない責任です。程度問題ではありますが、政治的道義的責任の追及は然るべきでしょう。
