受益権・国民の義務
受益権(国務請求権)
受益権とは、国務請求権ともいうことが出来ます。国務請求権とは、ある権利・自由が侵害され国家に対して救済を求めることが出来る権利のことです。
一般私人でも、社会的地位や財力によっては自力で救済することも可能かもしれませんが、そういった方はごく一部の人間であり、大部分の国民は自力救済は困難な話でしょう。
大部分の国民はそういった場面に出くわすと、泣き寝入りになってしまうのが常ではないでしょうか。
そういったことを出来る限り無くすために、国民には国あるいは公共団体に権利・自由の侵害から救済してもらえるように請求できる権利が保障されています。
これが、受益権(国務請求権)ということになります。
国務請求権には、請願権、国家賠償請求権、刑事補償請求権、裁判を受ける権利があります。
請願権(16条)、国家賠償請求権(17条)、刑事補償請求権(40条)
- 第16条【請願権】
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何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
請願権とは、国や公共団体の諸行政機関に対して、その職務権限の属するあらゆる事項について要望を述べることの出来る権利をいいます。
- 第17条【国家賠償請求権】
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何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
国家賠償請求とは、公務員の不法行為によって損害を受けた場合、国または公共団体に対して損害賠償を請求できることをいい、その権利を17条で保障しているといことです。
- 第40条【刑事補償請求権】
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何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
刑事補償請求権とは、刑事手続において、勾留・拘禁された被告人に無罪判決があった場合に、自己の被った損失を填補するために、国に対して補償を求める権利をいいます。
裁判を受ける権利(32条)
- 第32条
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何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
「裁判を受ける権利」とは、文字通り裁判を受ける権利を保障しますということです。
皆さんの中には、裁判を受けるとなると、なんかめんどくさくてイヤだなとか、ネガティブな想像をされるでしょう。私もそうですが。
しかし、私たちは、思わぬ形で刑事被告人になる可能性だって否定できませんし、何らかのトラブルに巻き込まれて他人と権利義務について争う可能性だって否定できません。
こんな目にあったとき、裁判を受けられないとなったときはどうすればいいのでしょうか。
裁判という権利・自由の救済され得る場がないとさらなる権利侵害を受けることになるでしょう。
そんなときに、いざとなれば誰しも裁判を受ける権利が保障されていなければ権利・自由の回復は望めなくなるでしょう。
国民の義務
- 第26条2項【教育の義務】
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すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
- 第27条1項【勤労の義務】
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すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
- 第30条【納税の義務】
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国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
明治憲法下では兵役、納税、教育(こちらは憲法規定ではありませんでした)の3つが3大義務と言われていたそうですが、 日本国憲法下では教育、勤労、納税の3つが3大義務として明文化されています。
特に解説する部分はありませんが、「教育の義務」について一言だけ。
「教育の義務」とありますが、正しくは「教育を受けさせる義務」となります。 「教育の義務」となると、ちょっと「?」ってことになりますが、保護者が子女に教育を受けさせる義務を負っているとなれば合点がいくでしょう。
義務規定に関して、一般的にはあまり知られていませんが、憲法はもう一つ義務規定が存在します。
12条は日本国民の精神的指針として、人権の保持、人権の濫用が禁止が要請されているとされています。
12条が一般的義務規定とすれば、ここの3つは具体的義務規定といったところでしょうか。
もっとも、これらの義務規定は、納税などは義務を履行しないと罰則もありますが、法的意味を持つものでもありません。
前述の納税義務違反の罰則等、想像できると思いますが、その他にも何かと不都合な面も実際には出てきます。しかしながら、履行しないからと言って憲法違反を問われるものでもないことは理解しておきましょう。
