信教の自由の内容と限界

内容

信教の自由の内容は次の3点にあります。

  1. 信仰の自由
    ・・・ 個人が宗教を信仰し又は信仰しないことを選択し、または変更すること、個人が任意に決定できる自由を有します。
  2. 宗教的行為の自由
    ・・・ 信仰に関して個人が単独又は他の者と共同して祭壇を設け、礼拝や祈祷を行うなど、宗教上の祝典・儀式・行事その他布教などを任意に行う自由です。 同時に、このような行為をしない自由やこのような行為に強制的に参加されない自由も含まれます。
  3. 宗教的結社の自由
    ・・・ 特定の宗教を宣伝し、共同で宗教的活動を行うことを目的とする団体を結成する自由です。もちろん、こういった宗教的団体に加わらない自由も保障されることになります。

限界

信教の自由も、無制限に保障されるわけではありません。やはり制約は受けます。

内心の信仰に関する限りでは、19条の場合と同じように絶対的不可侵と言えるでしょうが、その信仰が表明され、宗教上の祝典・儀式・行事あるいは、 宗教的活動を行う団体の行為などの信仰が外部に表示されれば他者の権利・利益を現実的・具体的に侵害する場合もあります。

このような場合は、公共の福祉による制約を受けると考えていきましょう。

判例

牧会活動事件(神戸簡判昭50.2.20)

信教の自由のうち礼拝の自由にいう礼拝の一内容・・・をなすものであるが、内面的な信仰と異なり、外面的行為である牧会活動が、 その違いの故に公共の福祉による制約を受ける場合のあることはいうまでもないが、その制約が、結果的に行為の実体である内面的信仰の自由を事実上侵すおそれが多分 にあるので、その制約をする場合は最大限に慎重な配慮を必要とする・・・。

エホバの証人剣道受講拒否事件(最判平8.3.8)

剣道の実技の履修は必須なものとまではいい難く、体育科目の目的は代替方法によって達成可能である・・・

上告人の剣道実技拒否理由はその信仰の核心部分と密接に関連する真摯なものであり・・・ 重大な不利益を避けるためには剣道実技の履修という自己の信仰上の教義に反する行動を採ることを余儀なくさせられるのは明白・・・

他の学生に不公平感を生じさせないような適切な方法、態様による代替措置を採ることは可能・・・

殉職自衛隊合祀訴訟(最判昭63.6.1)

信教の自由の保障は、何人も自己の信仰と相容れない信仰を持つ者の信仰に基づく行為に対して、それが強制や不利益の付与を伴うことにより自己の 信教の自由を妨害するものでない限り寛容であることを要請している。したがって、原審が宗教上の人格権であるとする 静謐な宗教的環境の下で信仰生活を送るべき利益なるものは、これを直ちに法的利益として認めることができない・・・



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