立憲主義の根源は中世ヨーロッパ

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国家権力を憲法によって歯止めをかけなければならないことは、歴史が示すところです。

人間というものは弱いもので、どんな人でも一旦強大な権力を握ると自分たちの都合のいいように権力を発動しがちですよね。ナポレオンしかりヒトラーしかり。現代社会でも国内外問わずそんな光景は散見されます。

中世ヨーロッパの国家権力歯止めのイメージ

いにしえの人たちは、そんな光景をよく見ていたので、教訓にしていたのです。そこで、国家権力を担う人たちが法律等によって国民たちの権利・自由を不当に侵害しないよう、一定の歯止めをかけようとしました。それが「憲法」です。

このように、国家権力に対してその権力行使を制限し、憲法に基づく政治をすることを「立憲主義」と言います。立憲主義に基づく憲法は、人間の権利・自由の保障と、そのための国家組織の基本を制度化したものになります。

ジョン・ロックの自然権思想が立憲主義の根源

この立憲主義は、中世ヨーロッパにその根源を求めることができます。立憲主義の根源は17~18世紀頃ですが、それ以前にも国家権力に歯止めをかけるという思想は存在しました。

しかし、それは貴族や僧侶などの一定の身分の特権を守るものであって、一般市民の権利を守るためのものではなかったのです。ここから一歩進んで国民個人個人を一人の人間として尊重し、 そのために国家権力に歯止めをかけていくべきというジョン・ロック(1632-1704)やジャン・ジャック・ルソー(1712-1778)らによって説かれていきました。

ジョン・ロックはのちのアメリカ独立宣言(1776)や日本国憲法の第13条に引き継がれる「自然権思想」を提示します。
アメリカ独立宣言(1776)
日本国憲法の第13条

  • 人間は生まれながらにして自由かつ平等であり、生来の権利である自然権『生命(life)・自由(liberty)・財産(property)』を持っている。
  • この自然権を確実なものとするために、国民は相互に社会契約を結び政府に権力行使を委任した。(契約による政府)
  • そして、その政府が権力を恣意的に行使して国民の権利を不当に制限する場合には、国民は政府に抵抗する権利(抵抗権)を保障する。
自然権思想イメージ図

このように、個人の人権を守るために国家権力に歯止めをかけるシステム、すなわち、立憲主義の基礎が確立されていったのです。

この立憲主義の基づく憲法は、「成文憲法」(注1)をとり、硬性憲法(注2)であることが一般的になります。

それは、国民と政府の「契約」なので文書の形として残しておくべきということと、憲法を法律のように国家側が勝手に改正できないようにしておくべき、という発想から帰結しています。もちろん、日本国憲法も成文かつ硬性の形を採っています。

【参考】日本国憲法第96条

注1成文憲法・・・文書の形で残しておく憲法

注2硬性憲法・・・法律よりも改正が難しくなっている憲法


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