公序良俗に反する契約は無効
我が国の民法には「私的自治の原則」という基本原理があります。
これは、当事者が納得ならどんな契約をしてもいいということなんですね。ただし、制限があります。
その中の一つに、反社会性を帯びた契約は無効だという考え方です。
それが、公序良俗違反規定(民法第90条)です。
- 民法第90条
- 公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする
この規定について、具体例はたくさんあります。
例えば、裏口入学の依頼契約。
ある教育ママが有名進学校に顔がきく、といわれている人物に息子の裏口入学を依頼する、持参金1千万円で。
これは、裏口入学なんて公序良俗に反することなので、この契約は無効。
また、愛人契約も同じ。
ようするに、反社会的、公序良俗に反する契約は許さない、法的保護に値しない、ということですね。 だから、こういう契約は無効なのでなかったことになります。
また、これに付随してよく出てくるのが不法原因給付(民法第708条)です。
- 民法第708条
- 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
簡単に言えば、不法・違法な原因で渡した物は返してくれとは言えない、法的保護に値しない、ということです。
例で挙げたの裏口入学で渡した1千万円、息子がその学校に入れなくてもお母さんはそのウサンクサイおやじに返してくれとは言えないのです。
また、愛人契約で渡した1千万円、その契約を履行しなくても返してくれとは言えないということです。
身近なところで、もう一つ例を挙げましょうか? 皆さんは、麻雀やりますか? 賭け麻雀って、犯罪行為だということはご存知ですよね?
3万円負けちゃったとします。 で、払ってその後、公序良俗違反だから返せ!と主張しても認められないということです。 その前に、3万円払う義務なんてないということです。
まさに「麻雀の負けを踏み倒す方法」ですね。
長々と例を挙げてきましたが、この民法90条民法708条、借金返済ではヤミ金融で対策で利用されます。
出資法を無視した契約は反社会的で公序良俗に反している。よって、この契約は無効である。
さらに、契約によって借入したお金は、民法第708条により返還請求できない、となります。
